前の記事では葉挿しについて、どうやって新しい個体ができるのか、気をつけるべき点などをご紹介しましたが、今回は実際に水ごけを使った葉挿しの方法について紹介したいと思います。
葉挿しのその前に。。。
植物の種類によっては葉挿しができないもしくは難しいようなものもあるので、その点に関しては事前に実際にやって成功した人がいるのかネットで調べておくと良いと思います。
手順1.培地(水ごけ)と容器の準備
最初に培地(水ごけ)の準備をします。水ごけは最初乾燥した状態で売っているのでそれを戻さないといけませんが、いくつか気をつけるべき点があるのでそちらを説明します。
僕のおすすめの水ごけは以下のものになっております。この水ごけはチリ産のものと比べると不純物も少なく、長いものが多いです。ただ時々、針のように痛い雑草が混ざっていることがあるので気をつけてください
水ごけのチェックと不純物の除去
日本で使われている水ごけは、チリやオーストラリア、ニュージーランドなどの原産地から採取されたものが乾燥されて輸入されてきたものです。その採取の過程で水ごけに雑草などの不純物が混ざってしまうことがあります。乾燥した状態でこの不純物をとってしまいましょう。湿った状態に戻したあとは絡まってしまいなかなか簡単に取れなくなってしまうので乾燥した状態でとってしまうといいでしょう。また混ざってしまっている雑草の中には鋭いトゲがあるものも時々あり、混ざってることに気づかず握ってしまったときに手を怪我することもあるので怪我の予防にもなります。
湿った状態に戻すときは熱湯を使うこと!
水ごけを使う前に乾燥状態から湿ったの状態に戻さないといけないのですが、その際は殺菌のために熱湯を使うといいと思います。なぜかというと、葉挿し用の葉は植物からすると傷口が丸出しの状態です。人間でも怪我をすると殺菌をしてできるだけ雑菌の侵入を防ぎますよね?葉挿しの場合は葉挿しをする水ごけをできるだけ清潔にすることで雑菌によって葉がだめになってしまうことを防ぎます
熱湯をかけたあと一時的に密閉
密閉することの利点として、まず熱湯をかけた水ごけに空気中の雑菌がつくことを防ぐことができます。殺菌のために熱湯をかけてすぐには水ごけ自体が熱すぎて使うことができないため、一時的に密閉した状態で空気とできるだけ触れる機会を減らしてあげましょう。また、密閉することのもう一つの利点として、湿った状態の水ごけがふっくらします。おそらく、密閉した内部は熱湯の蒸気によってかなりの多湿状態になりそれが影響しているのだろうとおもいます。
手順2.葉の準備
葉を親から切り取ります。できるだけ元気で大きな葉を選ぶようにしてください。栄養をしっかり蓄えてる葉のほうが成功の確率があがります。葉の根元の部分(葉柄とつながってる部分)は一番植物が発生しやすい部分ですので、そこは残して葉を切るようにしましょう。ベゴニアに関しては更に葉を細かく刻んでも大丈夫です。(葉の葉脈がどこかしら必ず残るように切ります)
切り口が何かに触れると雑菌が入ってしまうためできるだけ何も触れないようにします。
カットする際のハサミからの雑菌の侵入が気になるようでしたら使う直前にライターで一度あぶって、少し冷やして使うといいと思います。
手順3.葉を水ごけに挿(さ)す
最後にカットした葉をミズゴケに挿します。挿す際のコツは葉の根元部分が下になるように持ち、できるだけ葉を水ごけに対して垂直に挿すことです。垂直になぜ挿すかといいますと、子株の日光不足を防ぐためです。葉の根元部分で発生した子株は日光を求めて上に伸びていきますが、運悪く葉挿しの葉の真下に生えてきた場合その影から出るように徒長しながら生長してしまい、少し見た目が悪くなってしまいます。
うまく垂直に挿すコツ
葉をピンセット(できるだけ大きな物がいいです)や割り箸で葉の根元部分を下にして持ちます。そのまま持ったまま、水ごけに刺して葉がしっかり下に挿さっていることを確認します。確認できたらゆっくり放してあげて、ピンセットや割り箸を真上に抜きます。そうすると葉をしっかりと挿すことができますので、おすすめです。
手順4.ひたすら待つ!!
あとは待つだけですが、あまりに葉挿しを楽しみにしてしまうあまり頻繁に密閉容器を開けて状況を確認してしまうことがあります。開けるたびにコンタミ(雑菌がはいる)可能性があるので、成功したいのであれば何もせず待つのが一番です。
また、木本(木と呼ばれるもの)の植物に関しては、少し葉挿ししてからしっかり芽が確認できるまで時間がかかりますので、失敗したとすぐに判断しないよう自分が挿した植物が草本なのか木本なのか調べておきましょう!
以下に僕が水ごけで試したことのある植物の属を載せておきます。おそらくこちらの属の中の種ですと全く出ないということも少ないかと思います。
試した植物リスト!
ベゴニア属
ソネリラ属
アルゴステマ属
ラビシア属(数ヶ月かかる)
アルディシア属(数ヶ月かかる)
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