オーストラリアンプランツ(プロテア・バンクシア)の種子の種まき

2021年11月に珍しい世界中の種を扱っているあるびの精肉店というお店で買ったオーストラリアンプランツ(プロテア・バンクシア)の種子を買いました。

今回は購入した種子の種まきとその後の実生(種から育った小さな苗)の様子について、記事を書きました。

※すみません。こちらはライセンスフリーで拾ってきたプロテアの画像です。ここまで育ててみたい。。。

今回種まきした種子のリスト

まずはじめに植えたオーストラリアンプランツ(プロテア・バンクシア)の種子の種類を紹介します。

  1. Protea nana (プロテア・ナナ)
  2. Protea eximia (プロテア・エクシミア)
  3. Protea magnifica (プロテア・マグニフィカ)
  4. Banksia occidentalis (バンクシア・オクシデンタリス)
  5. Protea burchellii (プロテア・ブルケリー)

以上5種類の種まきを2021/11/2にしました。

種は毛がモケモケしたものが多い。毛深い僕は少し親近感を感じました。

【手順1】種まきの前のおまじない(種まきの前処理)

プロテアやバンクシアのようなオーストラリア原産の植物にはそのまま種を蒔いても、そのまま発芽することが難しい種子があります(難発芽種子といいます)。

なぜかというと、オーストラリアは乾燥している地域が多く、そのような地域では乾季に毎年多くの山火事が発生します。そのような地域では山火事が起こる前に種が地面に落ちて発芽してしまうとあっという間に火事で焼けてしまいます。

そのため、プロテアやバンクシアでは山火事に耐えられる種子を作って、山火事の後に発芽するようにプログラムされていることが多いようです。少し細かく説明すると、植物の焼けた後に出る煙の成分に反応して休眠打破(発芽できる状態になること)されて発芽をするようなプログラムです。

そのような植物を僕らのような園芸家が自分で植える前には事前に「周りで火事が起こったよ!」と種子に認識(だますというのが正しい説明かも)してもらう必要があります。

そのためには、通常スモークペーパーと呼ばれる木材が燃えたときに発生する煙に含まれる成分が染み込んだ紙を水に溶かし、そこに種子をつけて、「火事が起こったよ!」と認識してもらう前処理をします。

しかし、日本だとなかなか高価で手に入れることも難しいため、僕は今回、実験を兼ねて木酢酢が代用できるのではないかと思い試してみることにしました。

木酢酢は木炭を作るときに出る蒸気を蒸留して濃縮させた液体で、おそらく同じように木が燃えたときにでる煙の成分がふんだんに含まれているだろうと考えたからです。

今回使った木酢酢

今回は、上の写真の木酢液を1000倍で希釈した溶液に種を3日ほどつけて播種しました。

 溶液に浸かった種子の様子

【手順2】種まき用の土の準備

今回用意した土は以下の3つ

  1. 上の青いタライ:赤玉土の小粒と鹿沼土の小粒を1:1で混ぜたもの
  2. 下の左側の青いタライ:赤玉土の細粒と鹿沼土の細粒を1:1で混ぜたもの
  3. 下の右側の白いトレイ:赤玉土の細粒100%

※この3種類の土は混ぜた後にさらにふるいにかけて微塵(細かい土でホコリのようなもの)を除いています。微塵は水の切れが悪くなるもとになります。

土の入れる順として、まず1の土を鉢の下半分程度まで入れます。

大きめの粒の土を下に入れることにより通気性と水はけがよくなり、さらに鉢の下から土が漏れ出すことを防ぐことができます。

スリット鉢のスリットよりも土の粒のほうが大きいため、土が漏れ出さない

次に2の土を9割程度の高さまで入れます。

この土は1に比べると細かく、発芽してすぐの細かい根っこでもしっかりと根を張ることができるようにと意図してこの順にしています。

最後に3の土を入れます。

最後に入れるのは、ズバリ赤玉土の利点の1つである「乾燥すると色が薄くなること」を目印として使うためです。

種まき後の管理として、種を撒いた後にトレイのようなものの中で鉢ごと、水位が1、2センチの水が常に入った状態を維持して、水を下の土から上に吸わせて土の湿度が100%の状態を保つようにしてしばらく管理します。

水につけた状態で管理していると、一番上にこの赤玉土100%の土が表面にあるので、土の色が濃い(黒っぽくなります)間は土がしっかり上まで届いてることを意味します。その意味で目印として赤玉土を使います。そして段々と乾燥すると土が白っぽくなるのでそのときは下のトレイに水を追加するような管理をします。

※赤玉土を乾燥のインジケータとして使うのは実生の管理だけでなく通常の植物栽培でも使える技なのでぜひ検討してみてください。

【手順3】Let’s 種まき!!

後は種を撒いていくのみです。

僕の場合、以下の写真のようにスリット鉢1つ1つにそれぞれの植物の名前のタグを付けて管理するようにしています。

※今回は別の種も一緒に撒きました

撒いた後の様子がこちらの下の写真。見えづらいのですが、左下の1鉢と右端の4鉢がプロテア・バンクシアの鉢になります。

播種後3ヶ月の様子(2022/2/7記載)

本当は播種後1週間・1ヶ月の様子も報告したかったのですが、完全に写真を撮ることを忘れていました。本当にすみません。弁明の余地もありません。

しかし、気づいた3ヶ月目からしっかり報告したいと思います笑

まずはProtea nana(プロテア・ナナ)

Protea nana(プロテア・ナナ)の実生(1ヶ月)

なんとか1株だけ芽を出してくれました。2ヶ月ほど音沙汰もなかったのですが急にここ1ヶ月で発芽してくれました。

次に、Protea eximia (プロテア・エクシミア)

Protea eximia (プロテア・エクシミア)の実生(2ヶ月)

5粒中4粒が発芽、大体1ヶ月位で発芽してましたね。室内管理のため少し徒長が気になるところです。

次がProtea magnifica (プロテア・マグニフィカ)。こちらも5粒中2粒が発芽しました。

Protea magnifica (プロテア・マグニフィカ)の実生(2ヶ月)

こちらも5粒中2粒が発芽しました。大体1ヶ月で発芽して、こちらは茎もしっかり太くいい感じです。

次はProtea burchellii (プロテア・ブルケリー)。

Protea burchellii (プロテア・ブルケリー)の実生(2ヶ月)

こちらは5粒中3粒発芽。こちらも少し徒長が気になります。少し光の当たる位置に移動してみます。

最後に、Banksia occidentalis (バンクシア・オクシデンタリス)は残念ながら発芽せず。また次、挑戦してみたいですね。

こちらで3ヶ月目の報告終わりとしたいと思います。

また、随時更新していきます。今後の更新をお楽しみに!!

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